ジャンクギターでよくあるのが、「音が出ない」というもの。
音が出ない原因は、中を開けてみないとわかりませんが、ポットが壊れていることが多いです。
ポットとは? >>エレキギター用語辞典「ポット」
今回は、ポットの交換方法について、説明していきたいと思います。
説明のために使用してるギターはジャガードと、アリアプロⅡです。
いつものごとく、作業に没頭してしまい、写真や動画の撮り忘れが多いため、若干わかりにくいですがお許しください。
状態チェック
購入時、値札等に「音が出ません」と書いてあるものの、家でアンプにつないだら音が出るということがあります。
音が鳴っても、いわゆるガリがひどく、ポッドの交換が必要な場合があります。
ガリって? >>エレキギター用語辞典「ガリ」
しかし、接点復活剤だけで治る場合もありますので、ポットの交換の要否の判断は人それぞれといったところでしょうか。
今回のギターはポットを交換しました。
ギター背面のパネルを外し、目視で配線のハンダが外れていないことを確認。
ピックアップもテスターで正常に作動していて壊れていない。
テスターって? >>エレキギター用語辞典「テスター」
でもトーンノブが固着して回らない。
原因を調べるためにトーンノブを外そうとすると、トーンノブと一緒にポットの芯が抜けました。
えらいこっちゃ(゚д゚)!
ポットの中の芯が折れていたのでしょう。購入するときは気づかないものです。
というわけで、ポットの交換が必要ですので、今回はこのケースで、修理の手順を紹介していきます。
ポットを交換しないで修理するには
分解する
ノブをはずす
今回のギターは1ハムバッカーで1Vol(ボリューム)、1Tone(トーン)です。ボリュームノブ、トーンノブの下にポットがありますので、まずノブを外します。
外し方ですが、私の場合、少し厚めのピックを2枚用意します。
その2枚でノブの下に両側から滑り込ませて、てこの原理で2枚同時に引き上げます。すると簡単にノブが持ち上がり、手ですぐに取れるようになります。
力づくでノブを取ろうとした場合、今回のように芯ごと抜けてしまうことがありますので注意です。
また、ピックの下にもタオルなどを敷いて、ギター塗装面に擦り傷が入らないようにしたほうがいいですね。
ボリュームのノブは簡単に外れました。トーンノブは写真の通りノブにポットの芯が一緒に抜けています。
バックパネルを開けて電気系統をはずす
ノブが外れたら、ノブの下に六角形のナットが出てきます。
このナットは大体、ダイソーで買った工具で外れます。
スパナでもいいですが、そこまで締め込みが必要ありませんので、レンチセットで十分です。
外すときには裏側のポットも一緒に回ることがありますので、ポットをしっかりと押さえて、回転していないことを確認しつつ、ナットを外してください。
そうでないとポットが回転し、配線なども一緒に巻かれて、断線となります。
引っ張って断線した場合には、ピックアップやセレクターの故障につながりますので、十分に注意してください。
今回修理したジャガードは、トーンノブを動かすと、なぜかボリュームノブが動くというオカルト現象が起こりました ひぃぃーー!
これは、ポットのナットが緩んだまま使い続けた結果、配線を巻き込んだために、横のノブも動いてしまったというわけです。
現状の配線確認
次に配線をメモや写真にしっかりと残します。
覚えているつもりでは、配線ミスは多発します。
修理して音がならない。ジャンクギターが本当のジャンクになった。と焦ることになります。必ず控えてくださいね。
これさえできていればほとんど修理も終わったようなものです。
慣れてくれば最初からハンダが外れている場合でも、概ね予想できるようにもなりますし、ネットで「エレキギター配線図」と検索したら、いろいろなパターンの配線図が見つかりますので、色々とやってみるのも面白いですね。
取り外す場所をハンダゴテで外していきます。
交換と組立て
ポットとコンデンサーを交換する
トーン用ポットだけの交換でもよかったのですが、ジャガードをグレードアップしたかったので、ボリューム用ポットとコンデンサーもついでに交換しました。
コンデンサーって? >>エレキギター用語辞典「コンデンサー」
コンデンサーはジャンクコーナの部品で、寄せ集めの部品セットで売られていたものを購入し、つけてみました。
コンデンサーではあまり音の変化は変わらないと思っていますので、ただ単に、少し大きめのよさそうな見た目を重視しました。
ポットはもともと500kΩがついていましたので、新しいポットも同じ抵抗(500kΩ)のものを選びました。
一般的には、シングルピックアップがついているギターには250kΩ、ハムバッカーがついているギターには500kΩのポットであることが多いようです。
ハムバッカーって? >>エレキギター用語辞典「ハムバッカー」
また、ポットにはAカーブと、Bカーブの2種類があり、それぞれ耳で聞く音量の変化の仕方が異なります。
Aカーブは、ボリューム0から10の間を均等な割合で変化していくイメージで、耳で聞く音量変化が一番スムーズに聞こえます。
それに対して、Bカーブは、ボリューム0から急激に音量が変化していき、目盛りが大きくなるにつれ、段々と音量変化が緩やかになっていくイメージです。
Bカーブは、ボリューム10付近では音量変化が少なく、音の微調整がしやすいという特徴がありますが、今回はちょうど手持ちのものが残っていたということもあり、Bカーブを付けました。
音量変化のイメージは、抵抗値の変化とは違いますので、御注意ください。
最初と同じ配線でハンダ付けをしていき、キャビティー内も拭き掃除をしながら、配線を戻していきます。
ピックアップも断線していないか、テスターで確認します。目盛りは20kΩに合わせます。
ポットをハンダで温めすぎると故障するとよく耳にしますが、配線時にそんなに熱々に温めることがありませんので、これまで壊れたことはありません。しかし注意は必要ですね。
動作チェック
「配線が終わったら、全てを元通りに組み立て、弦を張って、テストをする。」これは間違いです。
配線が終わった段階で、ジャックにシールドを刺し、アンプ(ボリュームは本当に小さくしてください)につないで、音が鳴るかどうか確認します。
私の場合は、ハンダ付けが終わった時、もう一度組み立てた時、弦を張って仕上げた時の最低3回は確認します。
弦は貼ってなくても、ピンセットの先で、ピックアップをコンコンと軽くたたきます。
正しく配線できていれば、アンプからコツコツと音が出ます。
セレクターがある場合は、それぞれのポジションから音が出るか確認してください。
正しく音が出ない場合は、再度配線を確認して、音出しチェックをして下さいね。
次にトーンを「0」から「10」までの間で、音質に変化があるかどうかもピンセットで叩き、音に変化があるかで確認できます。
まとめ
ストラトなどは1Vol、2Toneが多いですが、このテストの方法で、トーンがフロントピックアップとセンターピックアップに効くようになっていることが確認できます。
また、ギターによっては全てのピックアップにトーンが効く配線になっていたりしますので、ギターの機能がよりわかるようになります。
今回はポットの交換の説明でしたが、他の部位も修繕等を行い、最後に弦を張って音出し確認をしたら完成です。
音が出なかったギターが、見事に生まれ変わりました。
これからもカスタムして、日本一のジャガードを目指します!
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